• テキストサイズ

短編集/鬼の木漏れ日

第7章 裏/次、いっちまうか?


「とぉちゃ、うまぁ?」
「うまぁ?」
「母ちゃんの料理は美味いよな」
「かぁちゃ、うまぁ!」
「かーたのまんま、すきぃ」

2人とも俺の飯を見て首をかしげるが、美味いといえば、自分ごとのように喜んでいる。つか、夢がすげぇ幸せそうに笑ってんな。写真撮りてぇけど、スマホが鞄に入れたままで手元にない…

「ごちそうさん」
「お粗末様。私、寝かしつけてくるから休んでて?」
「いや、俺も一緒に行かせてくれ」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」

飯を食い終わって、あやがちび達と子ども部屋に行こうとするのに同行した。
最近、試しに俺たちと離して寝かしつけている。というのも、俺が帰りが不規則で、俺が帰ってから子ども達を起こさないようにするためと、部屋で寝られるようにしていこうと思ったからだ。まあ、普段は子ども部屋で家族4人で並んで寝るんだけどな。離れて寝ちまうのは、俺の帰りが遅い時と夫婦の時間を過ごす時くらいか。
絵本を読み聞かせている間にちび達が寝付くと、俺はあやを抱っこして一旦部屋を出て、夫婦の寝室に入った。

「お疲れ様、紅郎くん」
「あやもお疲れさん」

ベッドに座って、あやを膝の上に座らせた。
あやはちび達の前では俺のことをお父さんと呼ぶが、2人きりになると恋人の時のように名前で呼ぶ。

「紅郎くん、どうかした?」
「あー…えっとよ…」

双子のちび達を産んで、普通よりも大変なのに次の子どもの話をしたら、あやはどんな反応をするだろうか。あやはちび達のことを愛しているのはわかる。わかるんだが、やはり負担はあやにかかる。俺もなるべく手伝っているが、それでも足り切らないんじゃないかって思う。

「紅郎くん? お仕事大変?」
「あやのおかげで順調だよ。あやこそ、大変じゃねぇか? 家で仕事しながらちび達の相手して」
「大変なのは本当だよ。でも、お父さん達も手伝いに来てくれるし、紅郎くんもお仕事大変なのに子ども達のこと考えてくれてるし、一緒にいてくれるから大丈夫だよ。それに大好きな紅郎くんとの子どもだもの。大変よりも幸せ過ぎちゃう」

照れた笑顔で話すあやを思い切り抱き締めてしまう。
/ 84ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp