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短編集/鬼の木漏れ日

第7章 裏/次、いっちまうか?


「ただいま」
「とぉちゃ!かぁりぃ!」
「とーた、おーり」
「明、夢、迎えに来てくれたのか。ありがとな」

家の中に入ると、もう寝間着に着替えたちび達が駆け寄ってくれて、抱き締めているとその後ろから嫁さんのあやも出てきた。
ちなみに双子の兄が明、妹が夢って名前だ。2人とも可愛い俺の子どもだ。

「お父さん、おかえりなさい。ご飯食べた?」
「いや、今日は食ってねえ」
「じゃあ、ご飯あたためとくからお風呂入ってきたら?」
「おぇもはいる!」
「あーくん、もう1回入るの?」
「ゆーも、とーたとぃく…」
「んー…」
「俺は別にいいぞ? よしっ、父ちゃんと風呂行くか!」
「いくー!」
「いくー」

ちび達を連れて風呂に向かい、脱衣所で服を脱がせている間にあやが着替えを持ってきてくれた。どうせならとあやも誘ったが、夕飯の支度があるからと断られてしまった。

「んでな! れっどがてきやっつけた!」
「かーた、おようふく、きれぇだった…」

明は見たとおり元気いっぱいなやんちゃ坊主、夢はおとなしいが好奇心旺盛な女の子だ。それぞれ今日の出来事を話してくれた。
身体を洗ってやって、自分の背中もやりたいというちび達に洗ってもらって、あったまってからダイニングに行くと美味そうな煮物の匂いがした。

「かーた…」
「かぁちゃ! でた!」
「おかえり。2人ともあったかーい」

ちび達があやに抱きついて、あやもちび達を抱きとめてくっつきあっている。それをまるごと俺も抱き締めた。

「じゃあ、もっとあったまれ」
「きゃー、ぽかぽかにあったまっちゃうー」
「ぽっかぽかー!」
「ぽかぽかすきぃ」

家族でじゃれあってから、俺は夕飯を食べて、あやはちび達と寝る前の絵本をリビングで選んでいた。

「今日は何読もっか」
「ももたぉ!」
「もも」
「じゃあ、桃太郎にしようね」

あやが桃太郎以外の絵本を片付けている間、ちび達は桃太郎の絵本を一緒に持っていた。なんでかわかんねぇが、2人が1つのものを取り合ってるところを見たことがねぇな…
俺が見てることに気づいたちび達が絵本を持ったままこっちに来た。
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