第5章 ひとそれぞれ
「たしかに告白を告白と思わなくて、惚気てフラグをへし折っていますね、あやは」
「は?告白?」
「おや、結構モテてるんだね」
「普通科きっての美少女と評判ですから」
「たしかに見た目だけは愛らしいからな。言っとくが俺は菜子がいるからな?」
鬼龍さん、あやが告白されたと聞いて動揺していますね?
「で、まあ、それは置いといて…」
「置いとくのか」
「あやは鬼龍さんがしてくださることならなんでも喜ぶと思いますよ?」
「極論だね?」
「だって、先日のお家デートの時には久しぶりに一緒にご飯作れて楽しかったと仰ってましたよ? 伝説の半熟オムライスが出来たと」
「あれはなかなか大変だったな…伝説の半熟オムライスを再現するって話になって、うまく卵が出来なくて、失敗作も結構出来て後ですげぇ食う羽目になった。守沢や鉄も応援に呼んだな」
「……これはこれでいいのかもしれないね?」
「話を聞くだけ無駄だったな」
やっぱり鬼龍さんとあやは今のままでも十分仲良しさんですね。心配する必要なんてなさそうです。