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短編集/鬼の木漏れ日

第4章 裏/やきもちの香り


「はぁっ、や、くろくっ、くろく…っ」
「どうした?」
「ひゃあぁっ」

 耳元で聞かれて、身体が反応しちゃっていっちゃった。いつもはここまで敏感じゃないのに、どうしてかな?

「あや…」
「ふぇ、え、もう?」

 身体を起こされて、膝を跨がされるとあそこに紅郎くんの大きいのが宛てがわれていた。腰には紅郎くんの手があって、問答無用で掴まれて腰を落とされてしまった。

「ひゃぁぁっ、ふぁ、あ…」
「くっ、しめつけやべぇ…」
「あ、こりぇ、おくとどいちゃっ」
「すきだろ?」
「ひゃあぁっ」

 背中越しに紅郎くんの体温を感じながら後から胸を揉まれて、下からは紅郎くんが突いてくる。

「はぁっ、あ、あぁっ」
「あや、何度でもいっていいからっ」
「ふぁっ、あ、くろくっ、くろくっ」

 今日はいつもと何か違う。いつもより焦っているというか、動きが大きいというか…

「ふみゃぁぁっ」
「あや、考え事か? 余裕だな?」
「ちがっ、らってぇ…っ」
「ん?」

 激しく突かれて、揉まれて、摘まれて、気持ちいいには気持ちいいんだけど何か物足りなくて…

「あや?」
「ふぁ、あ…くろくん…」

 動きが止まって、身体の向きを変えられて向き合う形になった。その途端、紅郎くんの顔色が変わった。これはやらかしちまったって思ってるとみた。

「……悪ぃ。辛くねえか?」
「…くろくんが、つらいほうがつらい」
「……」
「どうしたの?」
「……妬いた」
「ん?」
「普通科の奴らとか羽風に妬いた…」

 やいた、焼いた、妬いた?
 たしかに私は普通科だし、バイトでも男の人と関わることもあるけど、なんで羽風くん?

「普通科の人はまぁわかるけど、羽風くんはどこから?」
「今日、羽風にあやと付き合ってんのばれた。匂いで」
「……羽風くんの嗅覚って、本当にすごいんだね」

 羽風くんは何度か普通科に遊びに来てる時に話したことがあるし、それとなく紅郎くんのことを少し伏せた状態で相談も世間話に混ぜて話したりしたこともあるけど…

ーーー あやちゃんの旦那さん、あやちゃんのこと大好きだから大丈夫だよ ーーー

 あれって匂いからの判断だったんだなぁ…
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