第3章 Hide & seek
風呂から上がるといい匂いがしてきて、リビングのドアを少しだけ急いで開けた。
ガチャ
「いいにおいー」
「あ、もうすぐ出来るよー!かずくんお風呂長かったねー、のぼせてない?」
「やった!うん、ちょっと考え事してたら長くなったけど大丈夫」
「仕事のこと?」
「ん?そそ、そんなとこ!あー早くハンバーグ食べたい♪」
「そっか!じゃあ、かずくん机に運ぶの手伝って?」
「はーい」
キッチンにごはんを受け取りに行くとエプロン姿の翡翠が、白飯をよそってるところだった。
後ろからぎゅーっと抱き締める。
「かずくんー?」
「なにー?」
「今日はどうしちゃったの?」
「翡翠が可愛いから」
俺がそう耳元で言うと翡翠は少しだけピクリと身体を震わせた。