第6章 お勉強の、お時間です
仕方ないことなんだ、って。
思ってた。
そう、あたしあの頃。
誰かにいてほしくて。
ひとりは、嫌で。
写真撮ったり、ただ触れてくるだけのその行為がエスカレートしていっても、繋ぎ止めるなら犠牲は必要なんだ、って。
ただ、寂しくて。
だけどハイセは。
あたしの部屋に泊まることは、なかった。
あたしが眠るまで手を繋いでくれて、ハイセは部屋を出ていく。
あたしが起きるよりも先に、起きて。
『おはようございます』
朝日を、入れてくれた。
そうだ。
あたしハイセのこと、好きだと思った。
だけどこの気持ちは違うと。
この想いは偽りだと、ハイセは言ったから。
好きだと言う必要のないくらいに、ハイセはいつもずっといてくれたから。
いつの間にか。
当たり前になってた。
なんで。
忘れていたんだろう。
こんな大事なこと。