第6章 お勉強の、お時間です
『寂しいの、そばにいて』
『もちろんです、お嬢様』
微笑みながら甘えた声を出せば。
みんな一緒にベッドへと入ってきてくれた。
………触ってくる人もいたけど、別によかった。
ひとりで眠らないでいられるなら。
だけど。
みんなみんな、すぐにいなくなった。
パパが、辞めさせたのだ。
ハイセに出会ったのは、たぶん、そんな時。
たったひとりで過ごす夜は寂しくて、悲しくて。
怖くて。
眠れない。
だから、ハイセに声をかけた。
『お嬢様、寝るまでそばにいますから、安心して眠って下さい』
『ほんと?』
『ええ』
『ひとりには、させませんから』
『きゃぁぁぁつ、ハイセ、ハイセっ』
『大丈夫、怖くありません』
『いやっ雷嫌いなの、ハイセっ』
『大丈夫、では今日は、一緒にリビングで映画でも見ましょうか』
『ハイセ、好きよ』
『お嬢様、それは容易く言葉にしてはいけません』
『どうして?』
『そんな言葉などなくても、おそばにいますから。誰かを本当に好きになられた時にお使い下さい』
『ハイセ』
『はい』
『好きよ』
『ですから』
『ハイセだけだもの、あたしのそばにいてくれるのは』