第6章 お勉強の、お時間です
「同じ目をしていたから」
「え」
絶対からかわれる、そう思ったのに。
意外にもハイセは、黒曜石の瞳をあたしへと向け、真剣に口を開いた。
「皇が、俺と同じ目してたから」
「お、同じ?」
あたし、そこまで真っ黒じゃないよ?
どちらかと言えば、ハーフのママからの遺伝か、ブラウンに近い瞳だと思う。
「生気のない目」
「え」
「生きてんのか死んでんのか、わかんないくらいに真っ青で暗い目」
「………っ」
「そのくせ、6歳のガキがしないような『女』の目、してて。単純に興味を持った。皇自身に、環境に。だけど、『そう』しないと生きてこれなかった皇を柄にもなく守りたいって、救いたいって思っただけなのかもしれないけど。」
「…………」
「…………『女』という武器を使ってまで誰かと共にいたい、とゆーあなたの歪んだ寂しさから、救ってあげたかったのです」
「……………」
「僕は、あのときに救ってもらったから。今度はあなたを、暗闇から出してあげたいと思った」