第6章 お勉強の、お時間です
「ああ、コンタクト、忘れてしまいました」
「目っ、悪かったのっ?」
「…………」
ガバッと飛び起きたあたしをハイセの無表情な視線が突き刺す、けど。
全然視線は合わなくて。
もっと、下の方。
「!」
かぁぁっ、て。
羞恥心に支配されるままに毛布に頭からくるまれれば。
くぐもった笑い声が、耳まで届いた。
「シャワー、どうぞ?」
「………っ」
頭から毛布にくるまったまま、無言でシャワー室へと急いだのだ。
一気に蘇るのは昨夜の情事。
あたし、途中から全然、記憶にない。
なにも身に付けていない体を見れば、たぶん途中で意識がなくなったのだと思われるのだが。
キュ、とひねりあげて暖かいシャワーを頭から被る。
にしては、汗と、粘液でベトベトだったはずの体はすごく綺麗で。
考えること、数秒。
逆上せたわけでは決してない熱が、ジリジリと頬を焼いた。
ハイセ、が。
考えられるとすれば、あたしが眠ったあと、ハイセが後処理をした、しかなくて。
ヤバイくらいに心臓がうるさく鳴り響く。
見られた。
全部見られた。
いや、昨夜激しく交わったわけだし、今更と言えばそうなのだが。
でも違う。
それとこれとは、違う気がする。
「変態エロ執事」