• テキストサイズ

さぁ、お勉強のお時間です

第6章 お勉強の、お時間です


「手、邪魔」
「………っ」


知らずに後退していた足元。
背中にぴったりと感じるのは冷たい固い、壁の感触で。
ハイセは屈んで。
両手を壁に付きながら、あたしを上目遣いに見上げた。



………っ、だれ…っ、この人。



こんなに、鋭い目、してた?
こんなに艶のある表情、してた?



「…………っ、きゃぁっ」



固まりつつも、にらめっこすることほんの数秒。
先に目を伏せたハイセに少しだけ安堵した。

のも、ほんの、数秒。

いきなりあたしの体は宙に浮いた。



ハイセに抱き抱えられて向かった先はベッドの上。



しかもハイセは、しっかりと握っていたはずの着物まで、器用にも脱がせてからベッドへとあたしを横たえたのだ。



………なんで…っ、いつの間に……っ?



ってか、さっき、から……っ。


「ふ、雰囲気、ちがくないっ?」



「………」



あたしを跨いだまま、上半身だけ起こして。
ハイセは着ていたジャケットを床へと落とすと、そのままネクタイへと手をかけて、それを自然な動作で緩めた。


「………っ」


だから………っ
心臓、うるさい……っ


「執事のままじゃ、抱けないから」

/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp