第9章 愛されサイダーほろ苦く。
さっきまで、なんでもない顔してスイーツ食ってたのに。
車を降りるなり強引に手を引かれて家に駆け込んでいくまで、固く掴まれたての圧からどうしようもない気持ちが溢れる。
なんだ、嫉妬してたんじゃん。
ばか。
ちょっと嬉しくなってふっ、と声が漏れる
漏れ出た笑いにムッとした顔をしながら、少ししか変わらない体格で強引に顎を掴まれその小ぶりで柔らかな唇からちらりと見え隠れしていた舌が伸びてきて、腔内を貪られた。
パチパチと弾ける胸の音はガチャリと扉が締まる音と重なって反比例するように激しくなった。
「んっふぅ、さと、ぁ…はっ」
鼻で呼吸をしようにも突然の行為に息が乱れる。
「かず、もっと口開けて」
それでも、口内を貪られながら紡がれる声に反応して自分からも舌を出して愛しい人を迎え入れる。
「ンンッ、さとっ…ふぁ、ンゥっし、っと?」
からかい混じりに聞くと
「うるせ、当たり前だろ。悪いか」
悪いなんて微塵も思ってない返事が来て
「んーん、好き。…もっと。」
小声で返すと
「かず、おまえ煽った責任とれよ」
また体温が上がった。