第7章 ひこうき雲
- Nside -
翔さんは最近、前よりも"女"という単語に敏感に反応するようになったと思う…
それはきっと男同士だから、とか…普通でないから、とかそんなことを考えているんだろう…
そんなの、関係無いのに
俺は、"櫻井翔"だから好きなんだ
それなのに、好きな人に悲しい顔をさせてしまう自分に恋人としての不甲斐なさを痛感させられる
「翔さん、俺は翔さん以外興味が無いんだ…だから例え辛いことがあっても翔さんがいてくれれば、もうそれで幸せなんだよ」
櫻「カズ……お、れも…俺も、カズが居てくれればそれだけでいい…ずっと、ずっと一緒にいたい」
腰に添えていた俺の手に翔さんは自らの手を重ね、指を絡めて握りこんでくれる
思いの丈をそこにぶつけてくれるように力強く…
「うん、翔さん。ずっと…ずーっと一緒だから」
真っ直ぐに目を見て、互いの顔を見て言葉を混じえさせると魔法にかけられたように自然と笑顔になってくる
あぁ、…ホントにこの人のことが好きなんだな
って思う気持ちが溢れてくる
俺の気持ちが、想いが伝わるように…優しく指を握り返してその手にキスを落とす
触れた場所から俺達の体温が身体が、溶け合うように火が灯っていく
幸せで身体が満たされていくように