第4章 はんぶんこ
- Mside -
自ら愛して欲しい、と懇願するカズがたまらなく愛おしくて。
誰の目にも届かないところに隠してしまいたい。
そんな独占欲を抱えるほどに、気がついたらカズを愛していた。
「カズ、ほんとに俺だけ?他の誰にもそんな顔してない?」
意地悪く聞いてやると、蕩けた瞳を俺に向けて泣きそうな顔をしながら頬を染めている。
ニ「じ、じゅ…んく、のいじわる……もう、いいもん…」
そう言って、風呂場へ向かってしまった。
ま、まずい……
こうなるとカズは強情をはってしまい、口を聞いて貰えなくなる。
急ぎ風呂場に向かうと、浴室には鍵がかかっている
洗濯物に服がないのを見ると、服を着たまま中に入ったようだ。
「ねぇ、カズ…ごめんね。可愛くて、つい……」
刺激を与えないように優しく声をかけるが、返事がない。
代わりに聞こえてくるのは小さく啜り泣く声……
「カズ、かお……見せて……?お願い……」
誕生日にまで好きな人を泣かせてしまう自分にどうしようもない罪悪感を抱かざるを得ない。