第1章 秘密の時間
-N side-
今日はvsの収録があって朝から現場入り。
昨日の夜もゲーム漬けだったのですっかり寝不足なわけで。
眠気と闘いつつ、目を擦りながら楽屋に入る。
もう、居るかな……
そんな期待を胸にして……
--いた--
しかも運良く彼以外は出払っていて、大変好都合。
「ねぇ、おーのさん。」
そう言って小指を出せば、大野さんの小指が絡まる。
コレがぼくらの秘密の合図。
大「どうした?ニノからのお誘いなんて珍しいね」
「嫌、だった…?」
大「まさか。そう見える?」
「ふふっ、言ってみただけですよ。」
大「じゃあ、今夜いつもの場所ね。」
「うん…。おーのさん、今…誰も、いないよ…?」
両肩に手を乗せてみれば、ゆっくりと大野さんの顔が近づいてくる。
大「カズ……」
耳元で囁かれるとゾクリと背筋が震える。
互いの唇の形を確かめるように啄むだけのキスをするけど、もどかしくなり半開きの大野さんの唇から舌を入れてやる。
すると、待ってましたとばかりに大野さんも俺の舌に絡められ、次第に室内に淫らな音が響き出す。
大「んっ…ふ……んん……」
「…んぁっ……ん…ぁ…」
いつ誰が来るかわからない背徳感が気持ちを昂らせ、お互いの口内を行き来する。