第2章 このまま二人で堕ちていこうか【黒羽快斗】

5年前にお父さんが再婚して、わたしはお兄ちゃんと兄弟になった。

でもわたしは1度もお兄ちゃんをお兄ちゃんとして思ったことがない

初めてあった時、私は彼に一目惚れした

なんて綺麗な顔なんだろう。

すき。

これが始まりだった。

それから一緒に暮らしていくにつれて彼の事が分かってきて、好きな気持ちが我慢出来なくなるくらい好きで。
私を妹として優しくしてくれるところも大好きだった。
でもいつか本当の気持ちを伝えたかった。
そしてお兄ちゃんのことを調べていくうちに、お兄ちゃんには秘密がある事が分かった。

お兄ちゃん、黒羽快斗は怪盗キッドだということ。

これは最近分かった。

彼が怪盗キッドになった理由をお義母さんに問い詰めたら諦めて教えてくれた。

お兄ちゃんは、私が知ってることをしらない。

1人でずっと誰にも言わずに隠してる。

わたしもその秘密を共有したかった。

1人で抱えて、まるで余裕があるかのように周りにはお調子者として振舞って誤魔化して。

わたしはお兄ちゃんの全てを知っている。

お兄ちゃんには好きな人がいることも。

中森青子。

お兄ちゃんの幼馴染。

お兄ちゃんとは高校は違うけど、何回も2人で帰っているところを見てる。




彼の、あの人を見る切なげな顔も。全部。