第4章 某テーマパークでデート
夏祭りで見た、花火。
あの時とはもう状況が違って、光忠さんの反応も穏やかになっているけれど。
でも、そのおかげで私達は今までよりもうんと心の距離を縮めることができたと思う。
ぱっと見、変わっていないように見えても...あの夏の夜の花火は私たちを確実に近づけてくれた。
冬の花火でも、そうなれたらいいな。
単純に、そう思った。
「...そうだね」
光忠さんの返事は、単に私の言葉に対してなのかそれとも、すべてをわかっている上でのものなのか。今の私には分からなかったけれど。
相変わらずしっかりとした力で抱きしめてくれる彼に、何も案ずることはないんだなあと身を預けた。