第4章 『野良猫ギャンブラーに首輪をかけて』有栖川帝統 R18
「っ、だめっまたイくっ!」
がくがくと身体を震わせ達する身体。
汗だくで交わって、帝統が復活するまで私がイかされ、たまに2人で休憩してなんていうのを何度も繰り返した。
スマホを見れば充電切れ。
慌てて鞄から充電器を出し差し込む。
腕時計で時間を確認すると午前1時を少し過ぎたところ…いつの間にか日付を超えている。
ただ水分補給のために買った1リットルのルイボスティーのパックから一気に水分を流しこみはあと息を吐いた。
「いま何時。」
「1時12分。」
「あー、過ぎちまったか。」
まあいいや、なんて言いながら帝統は髪をかきあげながらパンツも履かず、服を脱ぎ捨てた玄関前へと向かう。
うわ、崩れた、なんて言いながら持って来たのはコンビニのショートケーキ。
甘いものを自分から買う所を見たことがなくて不思議に思い帝統を覗き見れば、その視線に気づいた帝統があー、うーと目線を彷徨わせ、口元を手のひらで覆う。
「…たんじょーび、なんだよ。」
「…へ?」
誕生日、だと?
「知らなかった。」
だからか。
いつもは夜中の訪問なのに、今日は改札で夕方から待ってるからおかしいと思ったのよ。
「言ってねーもん。」
ほれ、と片割れのイチゴがないケーキを渡される。
よく見れば帝統のケーキの上にはイチゴが2つ。
…まあ、イチゴに関しては許そう。
でも。
「誕生日教えてくれないのはずるい。」
そう吐き出した言葉に帝統はニヤリ笑う。
「教えてたら何かくれんのかよ。」
多分教えてもらっていても、私はプレゼントは買えなかった。
何が良いかなんてわからないし、だからって現金を渡すのも何か違う。
口ごもった私の横で、2ついちごの乗ったケーキをほんの数口で食べた帝統は、なあ、と私の顎を掬い自分の方を向かせた。