第3章 『待てない、彼』 観音坂独歩 R18
獣のような荒い息を吐きながら、独歩が薄い膜に包まれた萎えたモノを取り出し後処理を始める。
それを横目に見ながら私はへたれそうな身体を無理やり立たせ、シャツのボタンを戻しストッキングを履く。
鞄からメイクポーチを取り出しファンデーションを開けば、そこには酷い顔の私がいた。
汗と唾液でよれたメイクは直すより落とした方がまだましになりそうだ。
あとでメイク落としを買わなければ…
メイクポーチを鞄にしまい、鞄を持つとそれに独歩が気づく。
「夏乃準備できたか。」
「準備できたかじゃないわよ。」
ネクタイを締め直しながら顔を覗き問う独歩にふいと顔をそらしながら返事をすれば、鞄を持っていない方の手を自らの股間に導く。
「っ!!」
「お前のいやらしい姿見て2発で満足できるかよ。」
帰ったらめちゃくちゃに抱いてやる。
そんな捨て台詞に、私は小さな声で「コンビニ、寄らせてください…」と言うだけで精一杯だった。
end
おまけ
「っ…!!!どっぽっ!!!これ!!!」
こっそり男子トイレから出た私が見たもの。
それは清掃中の札。
そういえば最初にトイレに入る時、私が先に入った後少し遅れて独歩が入って来てたっけ。
札を片付けてきた独歩を睨めば、当然といったような顔で私を見る。
「あんなやらしい声、俺以外に聞かせるかよ。」
行くぞと引かれた手。
不意に見せられた男らしさにどきりとしながら私は独歩の少し後ろを歩きはじめた。
本当にend