第7章 核心
『その娘が、ユカか。
でも、なんで、その召使いは、
親子のことを知ってるんだ。』
『以前、街の古書店を経営していたらしい。
その当時、年の離れた親子が薬草学の本を、
良く買っていて、覚えていたと。』
『そいつの話は、信頼できるのか。』
『ああ、それについては、
私もその後、調べたが、間違いない。
それに、レストランでユカのことばかり、見ていたからな。
見覚えがあったんだろう。』
『エルヴィン。
ユカちゃんが、王都に居た、
雰囲気の似た婦人の捨て子の可能性は?』
『それも、調べてみたが、
王都のことだ。都合の悪いことは、消してある。
裏が掴めなかった。
ここからが本題だ。
私としては、ユカの能力を守っていきたい。
ここの医務室のドクターが、
ユカの薬草の知識に関心していた。
ユカに医務室のドクターの見習いをしてもらい、
半年後の医師試験に合格したら、
戸籍を与えようと。』
『え、半年後?!!!!』
『医務室のドクターには、ユカのことは、話してある。
兵団内の医師だ。口は堅いし、協力してくれる。』
『話がめちゃくちゃだな。
ユカは、納得しているのか。』
『それは、2人にこの計画を了承してもらったから、
彼女に話そうと思っている。』