第4章 木曜日
『実はな。
ユカには、兵団に多大なる貢献をしてくれているのだが、
さらに無理したお願いを訊いてもらえることになった。』
エルヴィンがユカの方を見て、口を開いた。
『こうして、週に一度、執務日にね。
幹部の部屋を回って、紅茶を淹れてくれることになった。』
エルヴィンとユカは、眼を合わして、
微笑みあっている。
『おー!!!!本当かー!!
これは、有り難い!! こんな美味しい紅茶を毎週飲めるなんて、
夢のようだよー!!!!』
ハンジは飛びあがって、喜んでいる。
ミケも顔のニヤつきが止まらない。
ユカとエルヴィンが、以前より濃密な関係であり、
ユカと会う口実を、エルヴィンが職権乱用をしているのは、
明白だった。
だが、
俺自身も喜んでいる。
いまは、顔に出ないようにするのがやっとだった。
そんな俺を見破ったのか、視線を感じた。
顔を上げると、ユカと眼が合った。
ユカは、俺にも微笑んだ。
ずるい女だと思ったが、
久しぶりに見た、ユカの笑顔は、綺麗だった。