第22章 外出
『お前の父親について、心当たりがある。』
『父親。。。??!』
『ああ、黙ってて悪かった。
でも、確信がついている話じゃない。』
『それでも、いいわ。』
ユカは、真っ直ぐに俺を見る。
俺も覚悟を決めて、話さなければならない。
『お前の父親だと思える奴と、昔暮らしていたことがある。
ケニーと言ってな。
俺とそいつの関係は、俺の母さんの兄貴だ。』
『兄。。。』
『ああ。中央憲兵と調査兵団が揉めている時、
ケニーは、中央憲兵を束ねていた。
中央憲兵は、本物の王にお前を捉えるように言われていた。
手段は選ばないからな。本当は、お前の居場所も分かっていたはずだ。
でも、手を出さなかった。』
ユカの瞳が揺らぐのが分かった。
でも、続けなくてはいけない。
『ケニーは、遠まわしにお前を守ったんだ。
最期の時、お前の母親を愛していたと言っていた。
子供については、認知はしてなかったみたいだが、
多分、間違いない。』
『私を守った。。。』
『ケニーは、大事なことは何一つ教えない。
だから、確信はついてないが、
ユカの父親がケニーだとしたら、
俺たちは、従兄弟同士となる。』
『そんなこと。。。』
『俺は、お前との関係がなんであろうと、
気持ちは変わらない。』
突然色々なことを知ったから、動揺して当たり前だ。
ユカは、言葉を失っている。