第22章 外出
『この公園、母が作ったものなんだって。』
突然の告白だった。
ユカは、昔のように遠くを見る目をしている。
『そうか。
母親が作ったものなのか。』
『親なんて良く分からないけどね。』
ユカの言葉が詰まる。
ユカの親については、一つ知っていることがある。
それを言わないで、ここまで来た。
言わないでいたのは、
知りたいと思っていないと、
そう考えていた。
望んで親のことを調べようとしていない。
でも、その考えは、俺のエゴなんだろう。
本当は、この関係が変わってしまう気がしたから。
ずっと黙っているわけにはいかない。
黙っている俺を見て、
『何か、知っていることがある?』
悟られた。
そうだ。こいつには、隠し事が通用しない。