第22章 外出
それから、カフェに入ったり、
買い物をしたり、
普通の恋人がするようなデートをした。
俺たちはそれが初めてで、特別なことだった。
普通のことを当たり前にしてやりたい。
今まで、ユカはそれが叶わなかった。
日が傾いてきた、
ユカが王都の公園に行きたいと言い、
高台の公園へ来た。
初めてなのに、とても居心地が良い。
風が通って、木々の香りがして、落ち着く。
『良いところだな。』
ユカは風を全身で感じて、幸せそうにしながら、
『そうでしょ。』
俺たちはベンチに座った。
丁度、夕陽が沈むのをゆっくり見るように。
このまま、この時間が続けばいいと、
願ってしまう。
それぐらい幸せな時間。