第17章 恋人
それから、時間が進むのが遅く感じる。
早く明後日になれと思っているからだろう。
翌日、新兵の訓練を指導する日だった。
慣れない動きに、苦戦するものが多い。
それだけならまだいいんだが…
怪我する奴も時々いる。
ガシャーーーーン
誰かが、立体起動から落ちた音だ。
人集りができている。
『おい、誰が怪我した。具合は。』
『アン・キラリです!足首を怪我しています!』
部下が応える。
当の本人は、驚いたんだろう。
涙目になっている。
『す、、、みません、、。
何でもないので、、大丈夫です!!!!』
そう言いながら、足は全く動かせそうにない。
『無理はしなくて良い。今日は、もう辞めておけ。
医務室まで担いでいこう。』
『俺、連れて行きます!!!!』
1人の部下が張り切って応える。
『いや、お前も訓練中だ。
俺が連れていく。』
俺以外この場にいる奴は、みんな訓練中だった。
『肩に手をかけて、背中に委ねろ。』
涙目になっている奴を背負う。
『すっすみません、、、本当に、、、
重くて、、、』
『俺があの場の責任者だからな。
気にするな。
それに、謝るなら、立体起動の操作を誤った事の方だ。』
『すみませんでした!!!!』
『次から、気をつければいい。』