第2章 彼女
『カンパーーーイ! お疲れ様ー!』
浮かれたハンジの声も掻き消されるくらい、
店は賑やかだった。
丁度良い。あいつの長話が耳に入ってこない。
ハンジがトイレに席を立った時、
エルドとゲンダが話しだした。
『今日、フレグランスのユカさん見かけたんですよー!
男達にナンパされてて、腕を掴まれそうになったのに、
上手く避けてて、あれビックリしました。
凄い反射神経ですよ。』
2人も見ていたらしい。
『ああ、それ、俺も見た。確かに、分かってて避けてたな。』
エルヴィンとミケがすかさず反応した。
『噂通りだな。』
エルヴィンは、嬉しそうだ。
『危ないやつらの匂いを感じたんだろう。』
ミケは、鼻を動かしながら、答える。
『それは、ミケさんでしょー!』
オルオとペトラも会話に入ってくる。
みんなに笑いが起こる。
『えー!!なになにー!!!
私のいないところで、みんなで盛り上がってー!!!!
ずるいーー!!!!私も仲間に入れてくれよー!!!!』
うるさいハンジが帰ってきた。