第12章 心
明確な策がたてられないまま、
事態は急変した。
医務室のドクターからの連絡だった。
ユカが姿を消した、と。
エルヴィンの部屋に集まる。
『どういうことだ?!』
苛立ちと焦りが募る。
『リヴァイ、落ち着くんだ。
彼女は、今までずっと身を隠す人生だったんだ。
何か勘付いたんだ。』
ハンジも居合わせた。
『ああ、そうだろ。
彼女は、そういう能力には長けている。』
エルヴィンも冷静だった。
『これが、彼女が残していった置き手紙だ。』
((皆さまの近くではなく、
遠いところで生きていくことにしました。
勝手を許してください。))
『ねぇ、中央憲兵に連れ去られたってことはないよね?』
ハンジの一言で…
沈黙になった…
『ここで話してるより、探しにいく。』
頭がついていかない。
俺が守ってやらないと。
『待て。リヴァイ。』
エルヴィンの声は聞こえたが、
振り切って、部屋を出た。