第4章 再会と新たな出会い
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私は阿笠博士の家からの帰り道、先程の会話を思い出していた。
さっきの新一くんの言葉–––––
【安室さんには気をつけろよ
さっき言った組織の一員かもしれねぇんだから…】
降谷くんがその組織の一員…
いや、おそらく彼は公安警察–––––
公安警察は国民の安全を確保するため、国際テロ組織や過激派などによるテロの防止対策、監視・調査などを行う組織。また情報や証拠を掴む目的で、機密情報を知り得る立場にいる人間から信頼を得るため、潜入捜査も行なっている。
つまり彼は新一くんや灰原さんを幼児化させた黒の組織を壊滅させるため潜入していて、身元を隠して安室 透を名乗っているのだろう。そしてその捜査の一環で探偵を名乗り、毛利さんの弟子になったということだろう。
そう考えれば全てのピースが上手くはまる。
【俺は絶対警察官になってこの日本を守る】
陣平たちの周りで誰よりも志が高かった降谷くんに相応しい仕事だな。それに…
【あいつは警察学校時代、常に1位だったからな〜】
警察になってから会えなくなった降谷くんの話題で、陣平が悔しそうによくそのように言っていた。
『(陣平に会わせてあげたかったな…)』
私はそう思いながら家へ帰る道を歩き続けた。