第4章 再会と新たな出会い
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『じゃあ私はそろそろ帰るわね』
そう行って立ち上がろうとすると、ピンポーンと家のインターホンが鳴った。阿笠博士が玄関に向かっていった。
宅配便か何かが来たのかと思い、いなくなってから帰ろうとソファで待っていると…
「おや、先客がいたようですね」
ドアの向こうから、少しキョトンとした顔の眼鏡の男性が可愛らしいミトンを装着した手で鍋を持ち、リビングへと入ってきた。
灰原さんはその人が来たことに気づいて、博士の後ろへサッと隠れその人を睨みつけていた。
『え?(この人、確か…
この前の事件の時に赤い車に乗っていた…)』
彼の顔を見て先日の誘拐事件のことを思い出した。私が黙って彼を見ていると、男性が話し始める。
「初めまして、沖矢 昴と申します
シチューを作ったのでお裾分けに」
『あ、初めまして、本城 みきです
そうだったんですね、私はもう失礼しますので』
「おや、食べて行かれませんか?」
私は突然の提案にびっくりし、え?と声を漏らした。流石に初対面の人とご飯はちょっと…と思い、話を逸らす。
『そ、それよりお裾分けってここら辺に住んでる方なんですか?』