第3章 探偵たちの夜想曲
主人公side
再び降谷くんの車である白のRX-7に乗り、街道を進んでいく私たち。
助手席に私が座ることになり、後部座席には蘭ちゃんと小五郎さんが座っている。
不意に、後ろで蘭ちゃんが声を上げた。
「うそっ!コナンくんからメール来てた!【大丈夫だから心配しないで】って…」
「どうやらコナンくんは自ら彼女について行ったようですね」
「あのガキ…
まーた探偵気取りかよ…」
「まぁ、子供の好奇心は探偵の探究心と相通ずるものですから…」
彼はそう言いながらサイドミラーをちらりと見ていて、私もそこに視線をやるとバイクが1台私たちをつけていた。
『(あのバイク、もしかして…)』
小五郎さんの携帯が着信を知らせ、彼がその電話に出て話を聞くと私たちにも聞こえるよう電話に反復して返した。
「何ィ⁉︎小僧を乗せた車が王石街道を北上してるだと⁉︎」
王石街道を北上…この道の反対車線ってこと⁉︎
それがわかった私は、暗がりで分かりにくいが目を凝らして反対車線を見つめた。
「んで?車は青いスイフト…番号は…」
電話で車の情報を聞いてくれる小五郎さんの呟きを聞きながら、私と隣の降谷くんが反対車線に注意する。
するとその時、小五郎さんの言う青いスイフトが通過した。
『安室さん、今の!』
「ええ!何かに捕まって!」
やはり降谷くんも気づいていたらしく私の言葉に返事をする。
彼は私たちに忠告するやいなや、素早い動きでハンドルを限界まで回しきって急ブレーキをかけると反対車線に滑り込み、そのまま追跡を始める。
降谷くんは前を見て目標の車にぐんぐんと近づいていた。