第3章 探偵たちの夜想曲
「–––ってことは、やっぱりこの男は圭さんが…」
「じゃあ探偵事務所で拳銃自殺した男も本当は彼女が…」
「そ、そんな…っ」
「でも、彼女から発射残渣はほとんど出なかったじゃねぇか…!拳銃を打ってねぇってことだろ?」
「ひょっとしたらの話ですよ…」
安室は両手をブンブン振り、小五郎に慌てて言葉を付け加えた。そして彼はまた思案顔になる。
「しかし弱りましたね…新たな遺体を発見し、その犯人にコナンくんを連れ去られたというのに朝まで手が出せないとは…」
小五郎が「あのガキがこっそり居場所を教えてくれりゃあ…」という言葉を発すると、蘭がパッと何かを閃いた様子で表情を明るくした。
「あ、阿笠博士なら分かるかも!!」
「阿笠博士…?誰です、その人?」
「コナンくん、いつも発信機付きの探偵バッチを持ってて…
それを追跡できる眼鏡をその博士が作っているんです‼︎」
それを聞いた安室は「ホォ…」と興味深げに笑っていた。
蘭はすぐに携帯電話を取り出し阿笠博士に電話をかけた。
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【何ィ⁉︎
コナンくんが誘拐されたじゃとォ⁉︎
しかも殺人犯にか⁉︎】
阿笠博士は驚きのあまり声を上げる。
「う、うん!
だからコナンくんの探偵バッチを追跡眼鏡で追って欲しいの‼︎」
【予備のメガネで追跡できるが──】
言葉の途中、携帯のバイブレーションが鳴り蘭はハッとなった。
「あ、ゴメン、キャッチホン!
コナンくんからかも…場所わかったら電話して‼︎」