第3章 探偵たちの夜想曲
降谷くんの盗聴器探知機と蘭ちゃんの流す音楽によって、リビングや廊下から3つほど盗聴器が発見された。
そのまま廊下を奥へと進む小五郎さんは目の前の寝室へ入るためドアノブに手を掛ける。
「なんだこの部屋⁉︎
かなり臭うぞ‼︎」
小五郎さんはドアを開けた瞬間余りの臭いに鼻をつまむ。
「どうやら、盗聴器はベッドの下のようですね…」
スーツケースの側に探知機を近づけながらそう言う降谷くん。
「でっけースーツケースが押し込まれてるな…」
「ちょっとどけ」と小五郎さんが降谷くんをベッドから遠ざけ、スーツケースを出し始めた。
「くそっ、なんだこの重さは…っ」
小五郎さんがそんな文句を垂れながらもズルズルと少しずつ引きずりながらケースを出す。
「盗聴器はこの中だな!」
「臭いの元もそれみたい…」
『そうみたいね…
なんかまた一気に臭いがきつくなったし…』
私たちは鼻をつまみながらスーツケースを見つめる。
「とにかく、開けてみましょう」
彼が誰にともなくそう促すと、小五郎さんがスーツケースの両サイドのロックを外し始める。
すると、その間にロックが外れたのか、スーツケースはいよいよその中身を晒すことになる……
『「「「!!」」」』
ガバッと開かれたスーツケースの中身に、愕然とした全員が小さく声を上げて目を見開いた。
そして次の瞬間───
蘭ちゃんの大きな悲鳴が、このマンションに響き渡った……