第3章 探偵たちの夜想曲
主人公side
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「ウソ…もうニュースになってる!」
『みたいだね…』
すると、蘭ちゃんが「あ!」と何かを思い出したようで急いで携帯を取り出した。
「お母さんが心配してるよ…
携帯の電源切ってたから…」
さっそく電源を入れたらしく、慌ただしく操作する蘭ちゃん。携帯を操作し始めた蘭ちゃんの携帯から着信音が鳴り、ボタンを押して通話をする。
【なんで電源切ってんだよォ!
心配したじゃないか!?】
「世良さん⁉︎」
『!(世良…?)』
蘭ちゃんは携帯を耳に当てた途端に叫ばれ思わず離してしまうが、訳を話さなくてはと再度耳に当てていた。
【それでコ…君や……五郎さ…無事…のか?】
「えっ、ごめん
電波が悪いみたいで聞き取りづらいみたい…」
蘭ちゃんの電話の会話にノイズが入っているらしく、それを聞いた降谷くんが蘭ちゃんの元へ向かいそのまま横から手を伸ばし携帯の通話を切ってしまった。
「え?」
「もしかしたらこの部屋…盗聴されているかも…」
いきなりのことに蘭ちゃんは驚いたが降谷くんの次に出た言葉に固まってしまう。
「では圭さん、今から全部屋回って盗聴器の場所を突き止めますけど構いませんよね?」
「あ、5分だけ待ってください
散らかしっぱなしで…下着とか片付けますね」
樫塚さんがそう言って私たちに断りを入れると、彼女は足早にリビングを出て行った。
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5分以上経っても樫塚さんは戻って来ず私たちは盗聴器を探すことにした。降谷くんはどこからともなく探知機を出して準備を始め、私はそれを隣で覗き込む。
『すごい…こんなの持ち歩いてるんですか?』
「ええ。依頼内容によっては探偵にとって必須アイテムですからね」
『へぇ…』
私は本職が探偵なのではないかと思うほど用意周到な降谷くんに思わず感心してしまう。
(まぁ安室さんの本業は探偵だから強ち間違いではないのだけれど…)
そんな中、まさか彼女があのままこの家を去ったなんて、小五郎さんや蘭さんには想像がつくまい。もちろん、コナンくんが自らついて行ったことも…