第3章 探偵たちの夜想曲
その後、事情聴取を済ませた樫塚さんと私たちは、降谷くんの車に乗せてもらっていた。
運転席側から小五郎さん、蘭ちゃん、私と、その膝上にコナンくんまでおり車内の後部座席はキツキツになってしまっていた。
そんな状態で走り、車内は騒がしくなり…
「なんでお前らまで乗ってんだよ!」
「すみません。この車、後ろに3人も乗せるように出来てませんので…」
「いえ…! お父さんこそなんで乗ったのよ!!」
「俺は圭さんが心配でだな…」
「私だって知らない人が自殺した部屋でコナンくんと2人なんて心細いもん!!」
『そうよね…
こうなるなら、私やっぱり歩いて帰ってた方が…
そんなに家も遠くないし…』
「何言ってるんですか、みきお姉さん!
夜道は危険だから歩くなんてダメです!」
しかし、私がそう切り出せば蘭ちゃんにきっぱり否定された。
『そ、そう?』
降谷くんにも誰にも見えないように、"降りるなよ"とでもいうような鋭い視線を送られている気がして私は黙ることにした。