第3章 探偵たちの夜想曲
そして、探偵事務所に到着し入ってみるが……
「誰も待ってねーし…」
最初のメールアドレスに帰ってくる旨を伝えていたらしいのだが、事務所内は人の気配がなかった。
返信もないらしく、小五郎さんはトイレに、蘭ちゃんは私と紅茶を飲んで待とうと言って用意を始める。
全員が探偵事務所に入ったあとに入った降谷くんは、ちらりと机の上を見ると事務所の奥へ向かう。
「あ、紅茶を淹れるなら僕も手伝いますよ」
「あ、ありがとうございます」
トイレの方に向かおうとする小五郎さんの携帯の音が聞こえ、私や降谷くんや蘭ちゃんもそちらに目を向ける。
「依頼人からメールが来たぞ!
たった今コロンボに着いたから早く来てくれだとよ」
「だったら早く行かなきゃ!」
「じゃあ僕もついてくからちょっと待ってて!
先にトイレ済ませちゃう!」
コナンくんがモジモジと体を動かしながらそう言った。すると、またメールを知らせる携帯の音が鳴る。
「また依頼人からメール…
"急いでみんなで来てくれ"って…」
コナンくんと降谷くんの目が人知れず鋭くなった。
すると、降谷くんが「では急いでコロンボに行きましょう!」と言って私たちの背中を押した。
後ろからコナンくんも急かしてきて、私たちはすぐさま玄関の外へ向かった。