第8章 攘夷四天王との出会い
「....お......ちゃん......おに......ちゃん......」
お兄ちゃんって言ってんのか?
『おまえ、兄貴がいんのか?』
この答えに返事が返ってくるわけもない
「ひとりに.....しな....で」
そう言って手をそっと上に伸ばした....その時、その子がとても弱々しく見えた
伸ばしている手を握って頭を撫でてやる
『安心しろ....ひとりじゃねぇよ....ここにいてやる』
そう言えば、安心したような顔をしてあげていた手から力が抜けたが繋いだ手だけは離さなかった
『目が覚めるまでもう辛い夢を見ないように側にいてやるから安心して眠れ....』
~高杉side終了~
『ここは....』
お兄ちゃんの屋敷....庭にいるのはお兄ちゃん....
『お兄ちゃん!!』
手を伸ばして湊兄に向かって走ればドンドンその景色が離れていく
『待って!!』
走っても走っても追いつけない!!
どんどん遠ざかっていく.....
『お願い....ひとりにしないで....』
涙を流してその場に立ち止まっていると手が暖かくて頭を撫でられているような感覚になった
『?あったかい....』
「安心しろ....ひとりじゃねぇよ....ここにいてやる」
『誰?』
人はどこにもいないのに声がする....暖かさを感じる....
なんだかとても安心する....
「目が覚めるまでもう辛い夢を見ないように側にいてやるから安心して眠れ....」
夢?....そうか、私は夢を見てるんだ....
確か下弦の鬼と戦って倒れたんだっけ?....この声は確か攘夷志士の紫色の髪のお兄さんだ....
『あれ?なんか視界が狭くなって....』
暖かさを感じながら意識を手放した
目を開くと見たことのない天井が広がっていた
右手に違和感がありそっちを見れば紫色の髪のお兄さんが私の手を握って寝ていた
『ずっと握っててくれたんだ.....』
夢の中でもお兄さんが手を握ってくれてたんだよね.....
『少し腕が痛むけどなんとか動かせる....』
昔、お兄ちゃんが風邪ひいて寝てる時に頭を撫でてあげてたっけ....
そっと頭を撫でていればお兄さんが目を開けた
『あ、お兄さん起きた....』