第5章 里帰り?
「わかった....」
おかみさんが団子を取りに行ったのを横目にどう話せばいいのかと考える....
おかみさんが戻ってきて私の隣に座った
「ヨツバちゃん....お話ってなぁに?」
『半年前の....私が姿を消した日に何が起こったのか....この半年間、何をしていたのか....聞いてほしい....』
半年前の辛い記憶、全ての始まり....
『半年前のあの日....私、耐えられなくなって家を飛び出して湊兄の家に泊まったの....でも、寝てたところを鬼に襲われた....』
「鬼!?....」
知ってるんだ....鬼のこと....
『私は重傷だったけど....湊兄が守ってくれたから死にはしなかった....でも、湊兄は......死んだ....』
おかみさんは口元を押さえて泣き出した....わかるよ....辛いよね....
『....私は死ぬ前に月影勇輝って言う元鬼殺隊の影柱に助けられた....湊兄が死んで絶望してた私に生きる道を教えてくれたのもその人....その人は私の父であり師匠でもある....』
本当に感謝してもしきれない
『湊兄を殺した鬼を私は許さない....絶対に!!....この世から全ての鬼を滅するために私は父に戦い方を教えてもらった...昨日、鬼殺隊の最終選別にも合格して鬼殺隊の隊士にもなったよ....』
「ヨツバちゃん....」
心配するような目で見られた....でも、もう止まれないんだ....
『今日ここにきたのは湊兄にそのことを報告するため....湊兄が命がけで守ってくれたこの命が無駄だなんて誰にも言わせない....最後の最後まで自分らしく精一杯生きてみせる....自分が死ぬときに後悔がないように....』
おかみさんは泣き止んでいて私の頭を撫でた
「頑張ったんだね....辛かったね」
『....私はもう止まらない....前に進む....お父さんは私にたくさんの愛情をくれた....新しい名前も....』
「新しい名前?」
『名前、嫌だったから....あかり....月影あかり....これが私の名前....』
「あかりちゃん....」
悲しげな顔をして私を見つめた....優しいなこの人は....