第2章 始まり
〜湊side 〜
安心したように眠るヨツバの頭を撫でてやれば嬉しそうに笑った
たくさん泣いたせいで目が腫れていた
こんなに愛らしく可愛い妹が大泣きするほど傷つけられてると思うと怒りが湧き上がってくる
なんで、ヨツバを傷つけるんだ
何もしてないだろ!!いい子で純粋で笑顔が可愛い女の子じゃないか!!
ヨツバをそっと抱きしめてその存在をしっかりと確認する
血は繋がってなくても俺の妹だ....俺の宝物
しっかりとヨツバを抱きしめて俺も眠りについた
おやすみ、ヨツバ....俺のお姫様
〜湊side終了〜
ガタガタ ガタガタ
真夜中、戸の方からする物音で目を覚ました
湊兄は隣にいるし風も吹いてない
なんの音だろう?
湊「ちょっとみてくるな」
そう言って私の頭を撫でて物音のする方に行った
湊「うわああああ!!」
湊兄の悲鳴が聴こえた瞬間私は急いで湊兄の元に向かった
そこで私が見たのは人の形をしているが人ではないなにか
この時、初めて動けなくなる恐怖を知った
湊兄、どこ?
湊「ヨツバ!!逃げろ!!!!」
その声のした方を見ると血だらけで
片腕がなくなっている湊兄がいた
『湊兄!!!!』
私が駆け寄るよりも早くその人ではない何かは湊兄を攻撃した
湊兄が私に倒れてきたのを受け止める
『湊兄!湊兄!!』
何度も必死に名前を呼ぶ
鬼「うるせぇ、騒ぐな
どうせお前らみたいなの何の役にも立たねぇだろ
いてもいなくても変わらないようなつまらねぇ
命なんだからよ」
その言葉に目の前が真っ赤に染まって
生まれてから感じたことのない
激しい怒りでいっぱいになった
そのあとのことは思い出せない
とんでもない叫び声がまさか自分から発せられてるとは思えなかった
気づくと人ではない何かは死にかけていた
間もなく朝日が昇りそれは塵になって消えた
『湊兄!!』
そんなことよりも湊兄!
早く湊兄のところに行きたいのに
体が重くて時間がかかってしまった
『湊兄.........湊......兄』