第2章 出会い
「〜〜〜ーーっ‼︎」
「葵⁉︎どうしたの⁉︎まさかまたアイツら?」
「ううん、アイツらとは違う人たちがボクに追いかけてくるんだよ〜!」
「え?どういう事?」
「ーー俺が説明してやる」
「「!!」」
数分前ーー
悟浄「おいおい、一体どういう事か説明してくれよ」
八戒「そうですね、突然飛んでいる猫を追いかけるなんて理由があるはずですよね」
悟空「なーなー、教えてくれよ〜」
三蔵「……ハァ」
逃げていく葵に追いかける為三蔵一行はジープから降りて林の中へ入って進んでいると悟空たちから質問責めに三蔵は小さく吐く。
三蔵「…あの猫を追いかける理由は『アイツ』に出会えるかもしれんからな」
「「「『アイツ』?」」」
三蔵「ああ、三仏神から俺たちが西へ目指すように言われてたがもう一つも言い渡されている」
三蔵一行が旅に出る前の事、三蔵は長安・斜陽殿にて三仏神から牛魔王蘇生実験を阻止し妖怪の自我を呼び戻す為、“桃源郷”を取り戻す為に西域・天竺国へ目指すように言い渡された。
『ああ…もう一つ言い忘れた。そなたたちに出会って欲しい人物がいる』
「…?我々が出会って欲しい人…ですか?」
『うむ、我々としてはあってはならない重要人物なのだからな。あの牛魔王を倒すのは恐らく『彼女』だけかもしれん』
「!『彼女』…?人間が牛魔王を倒すというのですか?」
三蔵はありえないと思う。ただの人間で女があの恐ろしい牛魔王を倒すとは考えられない。三仏神は更より話を続く。
『確かに人間だが、彼女は『不思議な能力』が持っているせいで牛魔王の手先から狙われている』
「それはどういう事ですか?」
『彼女の能力を使って牛魔王を復活する可能性が高いのですが、その逆に人間たちを守る事ができるのです』
「…彼女が見つかったら牛魔王の手先から守れという事ですか?」
『それもあるが、彼女がそなたたちと一緒にいれば力になるだろう。玄奘三蔵よ、彼女と出会ったら西へ目指して牛魔王蘇生実験を阻止してくれ!』
「御意…!どうやって会えばいいのでしょうか?」
『うむ、彼女の名はーー『』。見つける方法は一つある。それは……紺色の喋る猫を見つける事だ』
「………喋る、猫ですか…?」
喋る猫がこの桃源郷に存在するとはありえないと思う三蔵は思わず聞き返す。