第4章 桜の騎士と紫と金
吠登城へ行って、牛魔王蘇生実験を阻止する上に光明三蔵の形見である聖天経文を取り戻すとそう決めた三蔵は悟空たちと西へ目指して来た。
「…絶対に取り戻そうね」
三蔵「ああ…。はどうなんだ?」
「え?」
三蔵「いきなり牛魔王を倒せと言われたら…当然、不安か?」
「…そりゃ不安になるよ。妖怪たちからこの能力が狙われた理由を知った日からそう思う事がたくさんあったよ」
三蔵「……」
「でもね、そうならないと妖怪たちは正気を戻らないし桃源郷が危機を迫る事になるから私がやらないといけないんだからね…」
そう言う彼女は人間で女だが、不思議な能力を覚醒したせいで牛魔王蘇生実験の阻止する鍵となってしまった。それは重大な責任を背負う事になる…あまりにも逃げられない運命となった。微か不安そうな表情になるを見て三蔵は眉間を顰める。
三蔵「なら、俺たちはのサポート役になるな」
「…え?」
三蔵「牛魔王を倒すのはお前しかいないが、微力ながらサポートしたら少しはマシになるだろう」
「!…ふふ、そうだね。葵と玄奘たちがいるから頑張れるしね」
そう言って安心したのか微笑むに三蔵はイスから立ち上がり、彼女の前を立つ。
「?玄奘?」
三蔵「…」(スッ…)
「!////」
三蔵はに愛しそうに見下ろすと右手に左頬を優しく撫でる。は三蔵の突然の行動に驚き、再び頰を染める。
「げ、玄奘…?」
三蔵「お前の側に俺がいるから、安心しろ。…いなくなったりしないようにするからな」
「!…うん、ありがとう」
三蔵の言葉には頰を染めたままお礼を言うとさせるがままになった。
三蔵「(今は言うのはまだ早い…を守る男になってから…な)」
の頰を優しく撫でてながら心の中でそう決意する三蔵。そこから別々で寝る事になった。
「(…三蔵もよくやるねー…俺も本気で頑張らないとな)」
たちにいる部屋の前にタバコを吸いに行った悟浄はたまたま通った時、三蔵との会話を聞いた悟浄は負けてられないと思うと部屋の前から去って行った。