第4章 桜の騎士と紫と金
「…今までボク達だけここまで生きてきたけど、今となってボク達の事が分かり合える人たちが出会えたからもう、我慢しなくていいんだよ」
「…葵…」
更に葵から背を押さえてくれたはやっと気持ちを溢れてきた。
「……本当は、怖かったの…!今までの町の人々を見て、昔育てくれた町の人々から罵倒されたのを思い出して、また重ねちゃうんじゃないかと…そう考えると怖くなってきたの…」
その場にぺたんと座り込んで、そう言いながらポロポロと涙が溢れて止まらないの周りに三蔵たちも近寄って座り込む。
八戒「…ここまで我慢して来ましたね。もうこれからは我慢しなくていいんですよ」
悟浄「そうだぜ、遠慮しないで俺たちに頼れよ。な?」
悟空「そうそう、俺たちが側にいるからな!」
三蔵「…何かあったら俺たちに言え。いいな?」
「っ…うん…ひっく…わかった…」
「…本当にこの人たちと出会えて良かったね」
「キュー」
が泣き止むまで頭と背中を撫でて側から離れそうとしない三蔵たちの姿があった。
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
「…前も同じ事になって、ごめんなさい…」
八戒「そんな事ないですよ。と葵はたった二人でここまで生きてきたのでたくさん我慢した分に表したらいいですよ」
悟浄「そーそー。俺たちはもう仲間だからな」
悟空「葵も頼ったらいいからな!」
「うん!ありがとう!」
三蔵「…もう大丈夫か?」
「うん…大丈夫、ありがとう。皆…改めてこれからもよろしくお願いします」
そう言ってお辞儀するを見て三蔵たちはこちらこそと嬉しそうに微笑んだ。
八戒「…さて、の気持ちが分かってくれて安心しましたのでそろそろ夕飯の支度しましょうか」
「…あ!ご、ごめんなさい!慰めてくれたお礼にたくさん作るね!」
悟空「やったー!楽しみー!」
八戒「僕も手伝いますよ」
「ボクもー!」
「葵、八戒ありがとう!玄奘と悟浄は私特製の果実酒を作るから待っててね!」
悟浄「おっ!そりゃ嬉しいぜ!」
三蔵「…楽しみしてる」
さっきと変わって生き生きとなったを見て三蔵は安心するように小さく笑う。
と葵にとって最高の仲間と出会えて誇りに思う日となったーー。