第3章 桜の騎士と紅と緑
悟浄「…と葵はこの髪と目の色、どう思ってる?」
不安そうな表情を浮かべと葵にそう問いかけるとキョトンな表情になって見合わせる。
「そりゃもう…初めて会ったから思ってたんだよね、葵」
「うん!ボク達が旅に出ている時、必ず見るものの色が悟浄の髪と目の色が同じと思ってたんだよ」
八戒「…それはどんなものですか?」
「「せーの…『夕日の色』だよ(だね)!」」
悟浄「…!」
笑顔になって言葉を合わせて言うと葵に目を見開いて驚く悟浄。
「旅に出ている時夕日が出ている景色を見てなんだか、気持ちが落ち着くような感じになるんだよ」
「だから悟浄の髪と目の色が夕日の色と同じだから、綺麗だなって思ったよ!」
そう語ると葵の表情は怖がっていない、優しい笑顔を浮かべた。そんな二人に悟浄は嬉しい言葉を聞いて泣きそうになる。
悟浄「っ、あーー…やっぱ、最高な二人だよ、本当に」
「!どうしたの?変な事が言ったかな?」
「大丈夫?ハンカチを使う?」
悟浄「いんや…嬉しいだけだから」
そう言うと二人まとめて抱きしめる。と葵は突然の行動で驚いたが、なんとなく分かっていたのかされるがままになる。
八戒「良かったですね、悟浄」
「キュー」
そんな様子を最後まで見守った八戒とジープはそう呟いて微笑んだ。
「…いつか話してね。悟浄と八戒の過去について」
「「!」」
「今は皆と少しずつ馴染められるようにするね」
悟浄「…ああ、もちろんだぜ」
八戒「僕たちの話は長くなりますので覚悟して下さいね」
「むしろこっちは色々聞きたい事がたくさんあるくらいだよー」
そんな話しているたちにいる部屋の隣にある二人部屋では…
悟空「…三蔵、壁にコップを付けて何してるんだ?」
三蔵「…アイツらが何か話しているか気になるんだよ」
悟空「…それって盗聴っていうんだぞ?」
三蔵「…うるせー」
たちにいる部屋の壁の向こうにいる三蔵は壁にコップを耳に付けて聞いている。そんな三蔵に悟空はちょっと引くしかなかった。
三蔵「(俺と悟空も過去の事話したら分かってくれるかもな)」
辛い過去を持つ彼女と葵なら、自分たちの事も分かり合えると思う三蔵は心の中で不安そうに浮かべるのだった。