第9章 獣化注意報〜降谷の場合〜※
降「昨日はあんなにも
僕を求めてくれたのに
躾がなっていない猫ですね」
『わ、私がにゃにしたのか
分かんにゃいけど…薬のせいで…
…可笑しくにゃってただけだからっ』
降谷さんも立ち上がって
私の手を引くと
大きな腕ですっぽりと
私の体を包んだ
降谷さんの匂いがする
降「昨日言った事、
もう一度言うのでよく聞いて下さい」
何を言っていたのか検討も付かなくて
体を強張らせながら身構える
降「名前さんの事が好きです」
何を言われたのか
直ぐに理解できなくて
降谷さんの顔を見上げて固まった
降「名前さんは
僕の事どう思ってるんですか?」
やっと止まっていた思考回路が
動き出して、この場から
逃げ出したくなり
降谷さんの体を全力で押した
降「こら、答えを聞くまで
逃がしませんよ」
『わわ、わかんにゃいよっ…』
降「そんな答えで納得するとでも?
好きか、嫌いかで答えてください」
私は抵抗するのを諦めて
何とか言葉を絞り出した
『き、きらいじゃにゃい…』
再び大きなため息が
頭の上から降ってきて
私の頭の上に
降谷さんの顎が乗せられた
降「今はその答えで
許してあげましょう…で、
問題なのは症状が
治ってない貴女の体なんですが…」
『性行為したら…にゃおるって…』
降「昨晩沢山したんですが
個人差があるようで…」
た、沢山って…
…なるほど、体が怠い訳だ。
降「症状が治るまで
ここで生活して下さい
貴女に拒否権は無いです」
『そんなぁ…』
降「元はと言えば
貴女に捜査を依頼した僕の
責任ですから。…良いですね?
あわよくば…僕の事好きになって下されば
嬉しいんですが」
ちゅっと頭にキスを落とされて
頬が熱くなった
降「大丈夫です、この家は
ペット可なので」
と付け加えられた
私はしばらくの間、
降谷さん家のペットらしいです
fin.
2020.04.10
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