第1章 堕ちていくだけ/ジン※
ジ「んなこと、
一々口で言わねぇと分からねぇのか?」
苛立たしげに言うと
私の腰を掴み下から突き上げた
『あっ!…まって…んぁっ、あっ!』
ジ「しょうもねぇ事
考えてんじゃねぇよ…!」
激しく突き上げられて
一瞬冷めていた熱が
再び上昇する
ジンの背中に腕を回して
しがみ付いた
激しい動きに
快楽が身体を襲う
『あっ…あんっ…イク…っ…
…あ、あっ…ぁあああーー!』
ジ「ふっ…ナカに出してやるよ」
ナカでドクドクと脈打つ自身
熱い液が注ぎ込まれる
ぐったりとした身体を
ベッドに寝かせてくれて
自身を引き抜かれた
ジンはベッドに腰掛ける様に座ると
タバコに火をつける
私は情事処理をして
そのまま掛け布団を被った
先程ジンに言われた事が
頭の中で反芻する
"一々言わないと分からないのか"
分かるわけないじゃん
ジンはいつも
何を考えてるのか分からない
ジ「もう寝るのか?」
『…寝る』
ジ「そう言わねぇで、一杯付き合えよ」
私は気怠い身体を起こし
ホテルに備え付けられている、
バスローブを身につけた
グラスに注がれたアルコールを
喉の奥に流し込む
グラスをサイドチェストの上に置くと
ジンが口を開く
ジ「何を考えてるか知らねぇが
言わねぇと分かんねぇみたいだからな」
そう言い
頭に腕を回され
引かれたかと思うと額にキスをされる
ジ「この先
俺の側を離れる事も
俺を裏切る事も許さねぇ
裏切れば殺してやる…わかったか?」
側にいることを
許されてるみたいで、
私を必要としてくれてるみたいで
嬉しかった。
『うん…ずっと側にいる』
例え世界が許さなくても
私は彼を許そう
彼と堕ちるところまで
堕ちていこう…
私は再び注がれたアルコールを
飲み干し窓の外に視線を移した
先程まで降っていた雨は止み
朝日が昇り始めていた
2019.05.03
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