第6章 11月7日／松田※

松〈…今すぐ爆弾を解除させろ〉


先輩の静かな冷たい声が
受話器越しから聞こえてくる


『…先輩なら、どうします？』


質問の答えは知っている…


このループが始まった一番最初の
11月7日、松田先輩は
被害を最小限に抑える為に
自分を犠牲にして次の
爆弾を仕掛けられた場所を伝えた。


松〈俺なら…〉


『先輩なら自分を犠牲にしますよね…
私は知っています』


先輩の言葉を遮った


松〈馬鹿野郎！何考えてやがる！
今すぐ爆弾を解除しろ！〉


『松田先輩…私の仇と
それから萩原先輩の仇を討って下さい
今まで有難う御座いました』


私は通話を終了するボタンを押した


直ぐに松田先輩は
電話をかけ直して来たが
その電話を取ることは無かった


電話が鳴り終わると
直ぐに松田先輩宛のメールを
作成した





＂米花中央病院


p.s
松田先輩の事、好きでした＂





私は松田先輩の為に
死を選ぶ


これでループは終わり。


私は彼の身代わりになり
この身を世界に差し出そう


どんな事をしてでも
彼の運命を変えてみせる


爆弾のパネルに刻まれた数字が
カウントダウンを刻む


カチコチ…カチコチ…と


3秒前に
私はメールの送信ボタンを押した


さようなら、先輩
死んでも、愛してます


ゴンドラは私と共に爆破した











end.


2019.11.27


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