第6章 11月7日/松田※
いつもの様に朝6時に起きて
バタバタと慌てながら
出勤準備をする
朝食はコーヒーで済ませる派
テレビを付けると
朝のニュース番組
ー11月7日の天気は晴れー
テレビ画面の右端にいる
お天気お姉さんから
画面の左上に表示されている時計に
視線を移す
『やっば、もうこんな時間!』
スーツを着て
腕時計を付けようとした時に
左手首の内側に
何か汚れが付いていることに
気が付く
『何だろう…これ』
肌の色とは少し違う
もうちょっと、ピンクっぽいそれは
100と書かれていた
『やばっ…遅刻する!』
あまり気にも留めずに
腕時計をして
慌てて玄関のドアを押した
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いつもの様に警視庁へ
向かう途中で
私の思い人と偶然出会う
『あ、おはようございます、松田先輩』
松「おう、おはよう
一週間ぶりだな」
そう言いながら
頭をわしゃっと撫でてくる松田先輩は
私が所属している警備部機動隊の
爆発物処理班の先輩である
だが、彼は一週間前に
刑事部捜査一課強行犯三係に
転属されて
ここ一週間はまともに
顔を合わす事は無かった
頭の上に置いてあった
先輩の手を剥がして
くしゃくしゃになった髪を
手ぐしで整える
こうゆう所が好き
『からかうのやめて下さいよっ』
口ではそう言いながら
心の中ではもっとして欲しいと
高揚する気持ちを悟られない様に
押さえ込んだ
松「相変わらず、元気だな」
『先輩こそ、タバコの吸い過ぎで
早死にしてなくて何よりです』
松「ふっ…そんなもんで死ぬかよ」
やいやい言い合うのは
日常茶飯事だった
一週間しか経ってないのに
こうゆうやり取りが
出来るのが久しぶりな気がして
嬉しかった
.