第5章 Blood/赤井※
肌に感じる暖かい温もりで
目を覚ます
重たい瞼を持ち上げると
赤井さんの顔
赤「目が覚めたか?」
『ん…あかいさん…』
赤井さんは私の体を
そっと抱き寄せ
耳元にキスを落とす
その時に気を失う前の
行為を思い出して
恥ずかしさで赤井さんの胸板に
顔を埋めた
『あ、あの…すいません…私…』
赤「ふっ…謝るのは俺の方だ
無理をさせてしまって、すまない」
髪を撫でる大きな手が心地いい
『…赤井さんの吸血衝動は
もう収まりましたか…?』
赤「お陰様でな」
『良かったです』
その時、
ぐぅーっと私の腹の虫が鳴いた。
そう言えば昨日から何も口にしていない。
赤「何か用意してやるから
もう少し横になっていろ」
そう言い、赤井さんは部屋を出る
服着なきゃ…
そう思ったが自分がちゃんと
服を着ていた事に驚く
どう見ても赤井さんのシャツ…
下もちゃんと履かせてくれた様で
それにまた恥ずかしさを覚える
遮光カーテンの隙間に
手を伸ばしそっと開けると
外はもう暗かった
何だか急に色んな事が起きて
どっと疲れたな…
しばらく横になっていて
うとうとし始めた頃、
部屋の扉が開き
赤井さんが戻ってくる
赤「起きれそうか?」
『大丈夫です』
ゆっくりと体を起こして
ベッドから降りる時
赤井さんは背中に腕を回して
体を支えてくれた
部屋を出てリビングの
テーブルに座り
1日ぶりの固形物を口にする
もぐもぐと食べている最中に
赤井さんが口を開いた
赤「名前、大事な話がある」
改まって何のことだと
首を傾げる
赤「奴らが君のことを
嗅ぎまわってる様でな…
しばらくの間ここで生活をしてほしい」
私はぽかんと口を開けた
赤「君の姿も見られているし
それに昨夜献血をしただろう?
血の味も奴らにバレている」
『え…献血って…まさか』
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