第10章 俺の上司は運命の番/赤井※執筆中
気が付いた時は
日を跨いだ時間で
俺は横で眠る彼女を見て
慌てて髪を避け頸を見た
俺の噛み跡は無い
彼女が首に付けている
Ω特有の例の首輪が守ったらしい
この頸を噛めば
彼女は俺の番になり
一生、俺のものだ
もし首輪が無くて
頸を噛んでいれば…と
思ったが
彼女の意思を無視して
無理矢理、番にさせたくは無い
彼女との行為を思い出して
完全に理性が飛んでいたと後悔した
赤「すまなかった…」
眠っている彼女にそう告げ
もう一度横になると
彼女の体を抱き寄せた
彼女は甘えたように俺の胸に
顔を摺り寄せてくる
『…あかいくん』
どうやら彼女は
起きていたみたいで
赤「…狸寝入りか?」
『謝るなら…
ちゃんと顔を見て
謝りなさいよね』
彼女の顔を見れば
呆れた顔をしていた
彼女の頬に手を添える
赤「すまなかった。
俺は自分の忍耐力を
過信しすぎていた」
『…今日のところは許します
それから…』
彼女は一度口を閉じ
再び俺の胸に顔を埋めた
『…私も…迷惑をかけて
ごめんなさい』
彼女の肩が少し震えていた
赤「…泣いているのか?」
『……ないてない』
そう強がる彼女は
泣いていて
そっと頭を撫でた
彼女が泣きたくなる理由に
心当たりがあり過ぎて
どうすれば良いのか
少し戸惑った
赤「すまない…俺が悪かった」
『…ちがう…
あかいくんが、悪いんじゃないっ…』
赤「なら、どうして泣いているんだ?」
俺のせいじゃないと言うのなら
何が原因なのか検討もつかない
俺の質問に
答えてくれるのを待った
『…こんな体…嫌なだけ…っ…』
そう言い放つ彼女
彼女を抱く腕に
思わず力が篭る
赤「…俺の番にならないか?」
ぽろっと言葉を零してしまった
だがそれは本心で
中途半端な気持ちでは無い
.