第8章 リセットした幼なじみ
ヴィラン開闢行動隊が行っている間、僕らは作戦会議をしていた。主に発案していたのは僕だけど。
「開闢行動隊がかっちゃんを連れて来た後の話ね。オールマイト達がここを突き止めて来るのは目に見えている。オールマイトが来た時、僕の個性で弱体化させ、黒霧さんのワープゲートで第二アジトに向かう。これが一番楽なんだ」
「具体的過ぎるな……」
僕の発案に死柄木はボソッと呟いた。
『相変わらず、出久はすごいね』
「そんなことはないよ。常に分析して、作戦を組み立てて行かないとダメだから入念にね」
僕は可愛い玲奈の頭を撫でた。
「そういえば言ってなかったけど、僕の個性でかっちゃんの記憶をリセットしようと思う。そうしない限り、彼の心は動かせないよ」
玲奈の顔が恐ろしい物を見るような感じに変わった。
『そんな……』
「アイツは我が道を行くタイプ。誰にも介入させない奴だ。だけど、リセットをして全て変えれば僕らの戦力なるんだよ」
彼を敵連合の新たな戦力にするにはそうするしかないのだ。
彼の意志でヴィランにさせることは絶対に出来ないのだから。