第14章 新しい仲間
かっちゃんと焦凍に食料の調達を頼ませ、僕と玲奈はエリちゃんとトガさんと一緒にトランプをしていた。
そんな時だった。僕の携帯が鳴った。焦凍からだ。
〖出久……切島と上鳴がヴィランになりたいと言ってきた〗
「えっ?」
切島と上鳴って……鋭くんと電気くんだよね?
何であの二人が突然ヴィランになることを願ったのか?
単純に玲奈のことを……いや、下心であったとしても、こちらの戦力になるなら有難い話だ。
「焦凍待ってて。今そっちに行く。玲奈、行ってくる」
『うん!』
僕の個性『悪魔』を使って瞬間移動し、かっちゃんと焦凍がいる場所に転移した。
どんよりとした雰囲気に押し潰されそうになる。
「テメェら、何でヴィランなんかになろうと思ってんだよ」
かっちゃんが少し怒鳴り気味で言った。
すると、切島くんが言い出した。
「俺は、お前らがいなくなって、完全に居場所が無くなった。玲奈ちゃんや緑谷を見ると……俺はどうしてヒーローになろうとしたか分からない。あのヒーローみたいに漢らしくなりたいとは思ってたが、いざ弱気になって逃げ出したくなっちまうんだ」
「で……逃げ道としてヴィランに?」
僕がそう聞き返すと、切島くんは首を横に振った。