a fragrant olive【ONE PIECE】
第11章 a fragrant olive
そして、数カ月経った日。
俺は船の上にいた。
傷を癒し、海軍での仕事や引き継ぎをすべて終わらせ俺は海軍を退役した。
センゴクさんは俺の退役を引き留めてくれたけど
『すみません、ある島に待たせてる人がいるんですよ』
俺のその言葉にセンゴクさんは俺の引き留めはやめた。
おそらく、だれが待っているかも見当がついたんだろう。
最後の日は二人で酒を酌み交わした。あの人は泣きながら俺を祝福してくれた。
父が亡くなった後、俺を拾ってくれた人。
センゴクさんは俺の第二の父親だ。
「……見えた」
俺は手に持つエターナルポースを確認する。
指針は目の前にある島を指していた。
彼女が待つ島。クロム島だ。
俺はエターナルポースを置くと島に向かって舵を切った。
港に着岸した俺を待っていたのはあの日ローと来た時と同じ、島民からの歓迎だった。
俺は礼を言いながらレイモンドの家を目指そうとしたが、誰かが知らせてくれたのだろう、レイモンドの方から俺の元に来てくれた。
「おかえりロシナンテさん」
「あぁ、リオは?」
「今は秋だから…多分あそこかな。迎えにいってくれないか?」
それを聞き、俺はある場所を思いつく。
季節は秋。この時期に咲く花と言ったら…
「あぁ、ありがとな」
俺はレイモンドにそう言うと、目的地に向かって歩き出した。